落し四月大歌舞伎を開園2日目の4月2日、
大入り満席のなか私は第二部(1日三部公演)を観劇してきました。
1. 弁天娘目男白浪
「知らざあ言って聞かせやしょう」でおなじみの河竹黙阿弥の七五調の名台詞に彩られた
人気演目です。
現在人間国宝の尾上菊五郎さんの人気演目です。
弁天小僧菊之助は今度で30回目で大立ち回りの後切腹を迫った菊之助を乗せて
大屋根がそり上がる「がんどう返し」そして山門の場へ続く大せりは
新しい歌舞伎座大道具の見せ場だった。
2. 忍夜恋曲者
美しい傾城如月のこちらも人間国宝の板東玉三郎さん
実は滝夜叉姫。
花道のすっぽんからの出は妖艶で美しく両側から差し出される
ろうそくの明かりだけの演目でなおさら色気が際立っている。
(すっぽんを使うときは獣、幽霊、妖怪だけで人間役は使わない)
最後の大掛かりな「屋体崩し」となり屋根の上に大蝦蟇を従えた
滝夜叉姫が姿を現す場面は江戸時代からの演出と思えないくらい奇想天外だった。
『屋体崩し』
妖術使いや地雲が起きている時に見られるが、
大道具の仕掛けの中でも圧巻の場面です。
セリも使い、屋根を天井の下簀の子から吊り、柱を舞台の穴から沈め、
と様々な工夫を凝らしている。
新しい歌舞伎座では従来の松ゼリ、梅ゼリに加え新たに大ゼリができた。
華やかなるその舞台に大好きだった今が盛りの市川團十郎さん(65才)や
中村勘三郎さん(57才)の姿がないことです。
お二人とも死因は肺炎ですが特に勘三郎さんは誤嚥性肺炎でした。
食道がんの手術後順調に回復されていたのにどうして誤嚥をされたのでしょうか。
免疫力が落ちてしまわれて体力がなかったのでしょうか。
ご家族はもとより当のご本人が一番びっくりされてる様に思います。
改めて、恐るべし誤嚥性肺炎と痛感しました。
往診担当DH 柳原 多佳子