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2015/09/07
講習会受講報告

日時 : 2015年9月6日(日) 10:00〜16:30
講師 : 東京医科歯科大学 大学院口腔機能再建築工学分野 教授 鈴木哲也先生
会場 : 大阪大学歯学部記念会館

                                       《藤浪庸介》


《講演内容》

 100歳以上が6万人に迫るという超高齢社会に突入し、顎提吸収の著しい難症例が
急増しています。そのためか、何か特別な道具や新しい術式を使わなければ対応ができない
かのような喧伝もみられます。しかし、多くの先生方は術式のみに目が向いて、
なぜそうすれば良いのか、何が問題なのかという本質を理解していないため、同じ術式を使っても、
「よい義歯」になる場合もあれば「だめな義歯」になってしまうこともあるようです。
そもそも「だめな義歯」と「よい義歯」ではどこに分岐点があるのでしょうか。今回の講演では
ここに的を絞り、印象と咬合の2つの要因に分け、「鈴木のルール」を使ってわかりやすく解説します。
 総義歯は人工歯と義歯床のたった2つから構成される補綴装置です。
実は留意すべきポイントにそれほどバリエーションはないのです。わざわざ難しく考えすぎたり、
些細なことに拘泥しすぎてはいけません。優先順位を意識し、捨てるべきは捨てる診療であるべきです。

 臨床のQuestionとしては、なぜ顎提吸収の著しい下顎総義歯の舌側辺縁は延長すればするほど
予後不良になるのか、なぜフラビーガム症例ではゴシックアーチ描記法を使ってはいけないのかなど
多くの先生方が陥りやすい過ちを取り上げます。多数の症例写真とビデオを供覧し、昨日までの
先生方の誤解と思い込みを解き放してみるつもりです。

 今後は、ますます在宅や老人介護施設など、制約の多い環境下での診療機会が増えるはずです。
どのような場面にたたされても、総義歯の本質を理解していれば、術式ありきではない柔軟な
診療が可能となると考えます。

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