「往診」と「訪問診療」の違いをご存じでしょうか?
往診はたとえば、入れ歯が壊れてしまったと連絡を頂いた時に、
ご自宅に伺って 入れ歯を修理して問題が解決すればそれで終了です。
一方、訪問診療は上記のような問題も含めて、食事の飲み込みの
状態が悪い等失われた口腔機能を改善する為に
それぞれの目標を立てて継続的、定期的に訪問させて頂いております。
ケアとは介護という意味ですが、口腔ケアは2つの役割があります。
1つは、ブラッシングなどで口腔内(お口の中)を清潔にすることです。
口腔内は通常約300種類、数百〜数千億の細菌が常在します。
しかし口腔内清掃を怠ったり、唾液の分泌が低下して食べられなくなると
その数は1兆にも及びます。
そのような細菌を物理的、及び科学的に除去します。
もう1つは、口から食べるための機能訓練などのリハビリテーションです。
口腔周辺組織の刺激は口腔周辺を清掃器具ないし手指でブラッシング、
マッサージ等,刺激を与えることで嚥下機能(口腔内の物を胃に送る働き)
が向上することがわかっています。それに加え、
舌、頬粘膜、口唇の機能の向上、唾液分泌の増加や意識レベル・
認知機能の向上なども含めて「食べる機能の向上」につながると
考えられています。
おいしく食べること=QOL(クオリティオブライフ:生活の質)
の向上=生きる喜びを支える口腔ケアを通じて、
歯科衛生士いう職業は一生を通じて活躍できるお仕事だと
痛感し、これからも励んでいこうと思っております。
《柳原多佳子》