日時:平成22年9月12日(日)10:00〜13:00
講師:昭和大学歯学部
歯科補綴学講座教授
馬場 一美 先生
主催:大阪府歯科保険医協会
講演:睡眠時ブラキシズムと歯科臨床
睡眠時ブラキシズムは睡眠中に行われる歯軋りと食いしばりの
総称で、咀嚼筋を主体とした非機能運動である。
過去の研究によるとブラキシズムが覚醒時の最大咬合力を
超える程大きい力を伴うことや数分間にもわたり
持続することがあると報告されている。
ブラキシズムの影響は顎口腔系に破壊的に作用する可能性がある。
特に、欠損歯列患者のブラキシズムには残存歯に力が
集中するため、注意が必要ブラキシズムの臨床的診断は
問診と咬耗面の診査を基にして行われている。
ところが、従来ブラキシズムを示唆すると考えられていた
臨床所見と睡眠実験室にて測定された実際のブラキシズム・
レベルとの関連性は必ずしも強固でないことが明らかになってきた。
また、現時点ではブラキシズムを効果的に抑制できる
定型的治療法はないため、ブラキシズムの力から
顎口腔系を護ることを主眼とした対応にならざるをえない。