我が家には老犬がいます。
お母さんは「超賢い柴犬」と言うふれ込みながら、お父さんは不明・・と言う狸のような顔をした雑種犬です。
真夏生まれにもかかわらず、先住犬が「はる」と言う名前だけの理由で、
「うめ」と名付けられた控えめな犬です。
子犬の時から先輩犬「はる」を母と慕い、影のように付き従い、
食べるのも、寝るのも、歩くのも2番手のポジションを守り続けてきました。
7年前に「はる」が心筋梗塞であっけなく亡くなった時、
「あれだけ頼りにしていたはるに先立たれて、きっとうめも殉死するのと違うかな?」と家族の誰もが思いました。
ところが・・元来の脳天気な性格が幸いしたのか、うめは突然1番手に躍り出ました。
日当たりのいい場所を独り占めした昼寝、好きなものを好きな時間に心ゆくまで楽しむ食事タイム・・・
ずぅーっと昔から一人暮らし(?)をしていたかのような生活にすぐに順応しました。
くよくよしないストレスフリーのうめは毛並みも艶々で、いつも年より若くみられていました。
でも、やはり老いはやって来ます。ここ2,3年で、目は白内障になり薄緑色になりました。
お尻には腫瘍が出来、出血と惚けが始まりました。
階段の上り降りも危うくなって落下することも度々になり、
「そろそろはるが迎えに来てくれているのかも・・この冬越せるかな?」と言う状態が続いていました。