・21世紀のぺリオドントロジー
〜最新の病因論に基ついた診断・治療〜
・講師:大阪大学歯学部予防歯科 教授 天野敦雄 先生
・要旨
歯周病はバイオフィルムに棲息する細菌にょる複合感染である。その細菌層を
6グループに分類される。その1つであるRedComplexと呼ばれる細菌群が最も、
歯周病の原因と考えられる。
Red菌は、20歳前後の口腔に定着することが、2000年に報告された。定着後10余年
の潜伏期を経過し、歯肉溝内面の潰瘍形成をきっかけに著しく増殖する。
毛細血管から血液が歯肉縁下プラークに供給され豊富な鉄分と栄養素がRed菌に
供給される。その結果バイオフィルムの病原性は一気に高まり歯周炎の進行が
はじまる。一方歯周治療により血液供給を断てば菌量は激減しバイオフィルムの
病原性は発症前のものに戻る。
ただし、歯周治療が奏功してもRed菌は口腔内に棲息し続け、次なる機会をうかがう。
歯周病に完治はない。
�@ 歯周炎の原因と発症の瞬間?
�A 歯周病細菌検査で何が見えるか?
�B 歯周病菌はどうして駆逐できないか?
�C 口臭は臭いだけか?
藤浪庸介