『一般開業医に必要な口腔外科手術』
講師:石原修先生
(大阪府立急性期総合センター医師)
日時:2014年5月23日金曜日
場所:当院研修室
参加者:当院DR5名 DH3名 研修医1名 他院Dr4名
�@ 日帰り手術
�A 治療時に発生する全身合併症
�B 神経因性ショック
�C 処置中に意識がなくなった場合
以上、大きく分けて4つのお話がありました。
日帰り手術の適応条件は帰宅しても気道閉塞や大出血が生じない症例で、手術時間は2時間以内が望ましいとのことです。顎骨病変、口腔内軟組織病変、歯牙異常、歯の外傷、インプラント関連手術(骨造成サイナスリフト)などがこれにあたります。
治療時に発生する全身合併症には二種類あり、ひとつは基礎疾患の増悪により起こる合併症、もうひとつは基礎疾患とは無関係に起こる合併症です。
後者には、アナフィラキシーショック、血管迷走神経反射、過換気症候群、誤飲や誤嚥があり、その中でも特に血管迷走神経反射(44%)と過換気症候群(26%)が高頻度で起こるとのことです。
神経因性ショック(=VVR)は、不安、興奮、恐怖、痛みや刺激により、血圧が下がったり徐脈になったりすることです。徐脈とは、通常の成人の安静時心拍数である毎分60〜75回に対し、毎分60回未満しかない状態のことをいいます。
VVRの対処は以下の4つです。
�@ 水平位(寝た状態)にする
�A O2を投与する
�B アトロピン筋注
�C エフェドリン筋注
処置中に意識がなくなった場合の対応として、まず手術を中断します。患者さんを水平位(寝た状態)にし、名前を呼び刺激を与えます。血圧とO2を測定し、O2が95%以下の場合には毎分3〜5投与し、その後は経過観察です。96%以上の場合はそのまま経過観察します。
他にも、基礎疾患の増悪により起こる合併症の対応について、各疾患ごとに詳しく教えていただきました。これからの診療に役立てていきたいと思います。