日時 :平成27年6月26日(金)
場所 :当院研修室
参加者:Dr 院長、冨田、豊栖、林、藤浪
DH 士長、吉井
研修医 眞嶋、勝村(他1名)
書記 :勝村
要旨 :レジン前装冠
メタルボンドクラウン
オールセラミッククラウン
〈レジン前装冠〉
メタルフレームの上にレジンを重合(保険適応)
利点:重量が軽く、重合収縮などによる変形が少ない
適応可能な金属の種類が多い
補修が比較的容易で技工操作が簡便
欠点:前装部に機械的維持装置が必要
強度が劣り範囲が限られている
色素やプラークが沈着しやすく、摩耗、着色しやすい
〈メタルボンドクラウン〉
利点:強度や耐摩耗性、審美性に優れる
色素やプラークの付着が少なく歯周組織への為害作用が少ない
吸水性が少なく色調が安定する
欠点:技工作業が複雑で設備も高価なものが必要
大型なものは重く、焼盛収縮が大きい
〈オールセラミッククラウン〉
�@オールジルコニア
CAD/CAMシステムによりセラミックブロックから削り出す
�Aジルコニアペーストポーセレン
メタルボンドのメタルフレームをアルミナorジルコニアで作り、
上に陶材を焼きつける
�BEmax
特別なコア材を使わず、クラウン全体が従来のセラミック材
リューサイトで強化されたプレスタイプ
利点:全部被覆冠のうち、最も審美性が良好
科学的に安定
金属アレルギー患者にも適応可
欠点:衝撃力、引張力に弱い
歯質削除量が多く、製作方法が複雑で高価
禁忌:大臼歯にかかる臼歯Br、4本以上のBr、
接着Br、インレーBr
残存歯質が極めて僅少となった患者
ブラキサー患者 など
〈オールセラミッククラウンとメタルボンドの比較〉
�@強度
オールセラミッククラウンに比較し、メタルボンドは
メタルの精密鋳造により作るため適合もよく、破折の危険性は少ない。
(ジルコニアペーストポーセレンはメタルボンドと同程度)
�A審美性
メタルボンドはメタルフレームに起因する遮光性のため
透明度不足や歯肉退縮などによる金属色がライン状にみえてしまう。
オールセラミッククラウンはメタルコアの場合、生活歯・レジンコアに
比較すると色調再現性に問題が生じやすい。
(ジルコニアフレームの場合メタルコアのコスキングをすれば良好)
�B歯質削除量
メタルボンドは舌側がメタルなので、オールセラミックに
比較すると削除量は少ない(0.3mm)
オールセラミッククラウンは支台歯全周をラウンデッドショルダーや
ヘビーシャンファーにする。咬合面クリアランスをしっかりとるため
削除量は多い(0.4〜0.6mm)