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2015/08/25
ピンピンコロリ

2014年における日本の平均寿命は、男性が80.50歳、女性は86.83歳でした。

「平均寿命」とは「各年における0歳児の平均余命」を指します。意外と知らなかった方も多いのではないでしょうか。つまり2014年に生まれた女性が(社会情勢などの大きな変化がない限り)平均的に86.83歳まで生きられる、ということです。


今や日本は世界に名だたる長寿国ですが、年をとってもピンピンしている人はそんなに多くはありません。不幸にして長期の寝たきりになって亡くなる、ネンネンコロリ(最近ではNNKと言うそうです)の人生よりは、亡くなる直前まで元気に活動するピンピンコロリ(同じくPPKと言うそうです)の人生が理想でしょう。

ここで、全国的に長生きで知られている長野県を紹介します。長野県は2005年の平均寿命が、女性が第5位、男性が第1位でした。素晴らしい実績と言えます。

他県と比べてみると、長野県は

・高齢者の有業率(働いている方の割合)が日本一、特に農業従業者がとても多い

・青年者の死亡率が低い(特に肝臓がんの死亡率が全国平均より4割少ない)

・1人あたりの老人医療費が最も少ない県のひとつである

・公民館活動が人口100万人換算で843.3館もあり、ダントツに多い(全国平均は134.2館)

など、長生きの方が多い要因がたくさん挙げられています。

また長野県は地域医療の先進地域でもあり、世界的にみても薬の消費量が多い日本でありながら、多少の体調不良では薬を飲まずに「自分の健康は自分たちで守る」というモットーの方が多く、そのため健康で長生きできているのかもしれません。(ちなみに、抗インフルエンザ薬タミフルの世界生産量の約8割は日本で消費されているそうです・・・)


 もちろん歯も長寿に関係があります。

例えば、近年知られることの多い歯周病ですが、呼吸器系疾患や心疾患、糖尿病などの全身的な病気や妊娠との関連が挙げられています。なかでも糖尿病との関連が深く、糖尿病である為に歯周病の治癒がしにくくなることもあります。また、重度の歯周病になり口腔内の歯周病菌が血流で心臓に運ばれ、心臓の血管が炎症を起こし、心筋梗塞や動脈硬化、心臓発作になる可能性があり、肺炎や早産なども引き起こされやすくなると言われています。歯周病の方の心疾患での死亡率は健康な人のおよそ2〜3倍にもなるそうです。さらに、歯周病で歯が抜けて食べ物が噛めなくなると、脚力やバランス能力などの運動機能が低下したり、どうしても食事が進まず健康を害することもあります。

その他にも、食べ物を飲み込む機能が衰えてしまった高齢者が、歯周病菌が付着した食べ物を誤って気管支や肺に送り込むことで、誤嚥性肺炎を引き起こすことが知られています。


長野県の例のように、よく働き生涯学習を一緒にできる仲間や御近所さんを持ち、「自分の健康は自分たちで守る」モットーも大切だと思います。が、まずは一番身近な自分の口腔内のことに気をつけてみてはいかがでしょうか。最後の方は、耳をふさぎたくなるような話だったと思いますが、この機会にたかが「歯の病気」という考えをあらためていただき、かかりつけ歯科医の定期健診によって予防・早期発見・早期治療に努め、PPKを目指してみましょう。

     img02  《藤浪庸介》


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