歯科CAD/CAMシステムとは、コンピューターで設計、デザインをし、加工する機械で、金属などを削りだす技術のことをいい、主に工業、自動車や色々な部品に利用されていましたが、近年では歯科の業界でも活躍する機会が増えてきました。
ところで、CAD/CAMってなんの略?と、思っている人もいると思うので簡単に説明すると、
Computer Aided Design(コンピューターによる設計)
Computer Aided Manufacturing (コンピューターによる加工)
略してキャド/キャムといいます。
歯科用CAD/CAMシステムは、主に計測装置 設計装置 加工装置から構成されるものがほとんどです。
○ 計測装置とは・・・
接触プローブ、非接触レーザースポット、ラインレーザー パターン光などがあります。
これによりDrが歯を削った場所の形を読み取ります。
○設計装置とは・・・
専用の3次元CADを主体とし、個々の歯冠形状の基本とするデータがあり、その形をかえ削った歯に適合させていくものが多くなります。
○ 加工装置とは・・・
ミリング(切削)加工により材料を成形するものが多く、
最近ではミリング専用のメーカーがあり加工を請け負う工場があります。
しかしながら、精度が高い反面、製作時間がかかり、また材料の無駄が多いという欠点があります。
使用される材料は、樹脂系、金属系、セラミック系があり、
○樹脂系材料では・・・
鋳造用のパターンとして、エンジニアリングワックスやPMMAがあります。
○ 金属系材料では・・・
コバルトクロム、チタンなどが利用される。
部分床義歯の一部として、クラウン、ブリッジ、インプラントの一部(カスタムアバットメント)などでもちいられています。
○ セラミック系材料では・・・
従来の歯科用陶材、アルミナス陶材のほか、ジルコニアセラミックスの3種類に大別される。
高強度を有するジルコニア系の材料は、ごく一部を除き、そのほとんどが歯科用CAD/CAMシステムでの加工に特化して製作されている。
更に簡単に説明すると、今まで印象材で歯の形を取っていたのを、カメラなどで画像を機械に取り込み、技工士がWAXで彫刻して金属に置き換え、研磨して完成していたのを、パソコンで形などの設計し、機械が材料のブロックを削りだし完成にしてしまう・・・
この過程をものの15分でこなしてしまうのだから、驚きです。
さすがに最終調整は人がしなければいけないが、誤差数ミクロンでできてしまうのです。
患者さんの麻酔が効いている間にかぶせ物ができ、即日セットが出来る、患者さんの時間の負担が解消されるのです。
将来、Dr・技工士などは、パソコンの前に座り、機械が治療・技工物をする時代がくるのかもしれません。 《金澤 直人》